短期カウンセリングのすすめ

短期間での解決を目指すブリーフ・セラピーのなかのナラティヴ・セラピーを中心にご紹介します

ナラティヴ・セラピーとは何か

お知らせ 2019年台風19号、北海道地震、東日本大震災の被災者及びご家族、お知り合いに被災者のいらっしゃる方のためにボランティアによる無料の電話によるこころのカウンセリングを行っております。24時間受け付けております。ご利用ください。℡03-5888-7354です。


ナラティヴ・セラピーは再著述のカウンセリングです。
その人の人生の物語を書き換えていくものです。


ここでいう人生の物語とは、時間に沿って進む物語です。
過去から現在、将来へと進む物語です。


さらには連続性がある物語です。それか一まとまりの物語です。
それなりの意味の通っている物語です。


そのような物語に、さらに意味づけていきます。
私たちは物語を持ち、さらに作ってもいくのです。


そのさらに作っていく物語は肯定的なものでなければいけません。
肯定というプラスの物語を作ります。


ナラティヴ・セラピーとは何か?
肯定の物語をつくり語るものです。


私たちは、多くの物語を持っています。
それを生きることもできます。


だが否定的な物語に生き、苦しむ人も多いのです。
その時にはその人のための、人生の物語の書き換えは必要です。


その書き換えられた物語により、生きていくのです。
このようにして生きづらさを克服するプロセスを、カウンセラーと歩みます。
そのために小さな物語をつくり語ります。


私たちは自分の持つ多くの物語により、自分を決定しています。
だがその物語にも、決定にもゆがみのあることもあるのです。
それゆえに苦しみます。


前述のように、自分の持つ多くの物語により、自分を決定しています。
それをジェントルマンということから考えてみます。


ある人は自分をジェントルマンと思っています。
そのジェントルマンの根拠は何でしょう?


それぞれの人により強調点は異なります。
ある人は身なりです。いつも背広を着ている。


ある人は優しい。いつも親切。
これがジェントルマンです。


当然ながら完全なジェントルマンはいません。
それゆえに苦しむ必要はない。


だが苦しむ人がいます。
そういう人には、一つの特徴があります。


完全を目指す人です。
理想の自己像を持ち向かう人。


その理想の自己像は、ある意味でありません。
ないものを求めています。


そういう話です。絶対に届かぬ夢です。
その夢を追いかけます。


夢から覚めることが必要です。
カウンセリングは、そのための道です。


空想を追いかけない。現実を生きる。
これができないから苦しみます。


実現不可能なものが空想。
現実にありえないものが空想。


それに生きています。
無理な生き方をしています。


この無理な生き方こそが神経症です。
無理な生き方に対し、こころはシグナルを送ります。
それが神経症です。


神経症の改善は、無理な生き方を辞めることです。
楽に生きることです。力を抜くことです。


簡単といえば、簡単です。だが難しい。
それを身につけます。


空想に苦しむ方が、現実を生きるよりも楽。
ある意味そうです。


それゆえにカウンセリングは途中棄権しやすいことも事実です。
空想に逃げ込みがちです。


空想による苦しみのほうが、ある意味楽なのです。
これがハードルです。このハードルを越えることです。


現実の困難、これに向き合う。
それをともにする人が必要です。


その場がカウンセリングです。
現代ではその必要性が高まっています。


社会の機能性重視の行き過ぎた結果かもしれません。
それがカウンセリングを必要とします。


以前は村落共同体がになっていた役割。
それはもうありません。


近代化によりもうありません。
近代の世界にはありません。


時代の中でカウンセリングは生まれました。
その前は宗教の中で行われていました。


現代ではカウンセリングです。
カウンセリングが宗教の告白に代わりました。


だがそれにより内容も方法も大きく変わりました。
先ず行う人が異なります。


聖職者からカウンセラーに代わりました。
よってその内容も代わりました。


当然ながら宗教性は失われます。
宗教の損失です。


近代化にはそれが付きまといます。
逆に科学が支えになりました。


だが完全に支えになりえません。
そこにカウンセリングの必要性が生まれるという矛盾もあります。


続く