短期カウンセリングのすすめ

短期間での解決を目指すブリーフ・セラピーのなかのナラティヴ・セラピーを中心にご紹介します

ナラティヴ・セラピーと認知療法の活用

現在ナラティヴ・セラピーと認知療法はそれぞれのなかに取り入れられ、活用されています。それぞれ補助的に取り入れられ、効果を高めています。


初期の認知療法は精神分析療法の影響が強いものでした。ある意味、精神分析療法の現実における応用とも言えます。精神分析療法は直期のものであり、現実にそぐわないものでもあったのです。


次の認知療法は行動療法の影響が強いものでした。認知療法だけでは、改善に向かいにくいのです。


現在では認知療法は構築主義に向かっています。認知的情報処理理論の進歩が、認知療法に影響を与えました。構築主義は認知的情報処理における、能動的な意味の形成に目を向けます。そこからナラティヴ・セラピーの発達と学習における言語使用に、認知療法は注目しました。


認知的情報処理理論では自分の外側の世界を、静止的に認知するとは考えません。動的な認知をモデルとして提示しています。私たちは現実を、意味の連鎖として動的に捉えるとするのです。その最終的な可能性を見据えて、認知します。


箸は、食べるものを挟んで口まで運びます。その一連の連鎖により認知は完了します。食事という行為が、その意味付けをします。これにさらに茶碗も加わります。茶碗が加わり、さらに意味付けされます。このように食事という一連の行為が箸も、茶碗も認知づけられます。さらに食後には手洗いと、意味付けの連鎖は広まります。


その連鎖の網の目を、私たちは生きていると言えます。その中で自分の物語を作り、他者に伝えています。これが認知の基本構造です。その基本構造をナラティヴなストーリーにより変容させます。新しいナラティヴの確立です。


その新しいナラティヴは強固なものでなければいけません。強固であるという事は、誰の視点から見ても妥当性があるという事です。広さを持っているという事です。客観性に裏付けられたものです。


ナラティヴは主なナラティヴと、それに従属するナラティヴからなっています。この関係に無理がないことも重要です。両者が矛盾しない事です。従属するナラティヴが無理なく主なナラティヴに遡行しうるものであることです。


これが再構築される新しいナラティヴの条件です。これを目指して再構築されます。ナラティヴは変化し、新しい柔軟なナラティヴに変わっていくのです。柔軟さが失われたのが神経症、ノイローゼ状態です。


固定化し、柔軟さの欠けたナラティヴを変化させます。これはその人にとっては、当然の行動を覆すような新たな視点を取り入れていくのです。その新たな視点から、新たなナラティヴを構築します。そのために固定化し、柔軟さの欠けたナラティヴは揺さぶられます。揺さぶりにより、ナラティヴは変化に動機づけられます。


揺さぶりに、質問を用いるのが新しいカウンセリングの特徴です。質問により、よりスムーズに問題解決に向かいます。その人の問題点を、質問によりあぶりだします。だからこそ、短期間でカウンセリングは完結します。ある意味、新しいカウンセリングは決められたコースがあります。このコースを進み改善します。解決指向のカウンセリングは、これが顕著です。その質問も決められています。


話を元に戻せば、固定化し、柔軟さの欠けたナラティヴを再構築します。抽象化され閉じ込められたナラティヴに、いのちを吹き込みます。神経症、ノイローゼ状態の人は柔軟さの欠けたナラティヴに支配されています。その結果、こころは不自由です。それを自由にします。


こころの柔軟さを取り戻します。


さらに述べます。